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能ある社畜 独立前夜の企て
-Chapter11-

世の中の構造を理解する(5)貢献とは、相手の望んでいることに集中することだ

 僕のデザイナー時代の話をしよう。
 デザイナー時代の初めのころ、自分のアート性に酔っていた時には、僕の作品はたぶん押しつけがましいクライアントへの提案だったと思う。


 しかしある日、デザイナーの本質、役割とは何かを考えるようになった。
 会社は、何かをプロモーションしたい、広めたい、広告したいものがあって、それを具現化するためにデザイナーは存在する。プロモーションの目的は、製品をより多く売り、利益を得ることだ。つまりデザイナーのアート性を発揮するのが目的ではなく、デザインを通して相手の会社の利益に貢献するのがデザイナーの仕事だと気づいた。
 そう考えが至ったとき、僕は、相手の会社の貢献するためにデザイン以外のマーケティング、広告、Webもすべて勉強した。
 自分の範囲以外のところも全部提案し、サービスとして行った。
 当然、手間はかかるが、普通のデザインとは比較にならない良い結果が出る。


 僕の仕事の仕方は、口コミでどんどん広がった。多くの仕事が舞い込んだ。仕事が増えすぎて手に負えなくなるから、すみませんと言って価格を上げさせてもらう。価格は元の倍くらいに上げた。すると仕事は絞られる。しかしそれでも頼みたいという企業は残る。なぜなら、それ以上の結果が出るからだ。僕は仕事が減り時間ができたぶん、そのクライアントに寄り添う時間が増え、さらに良い結果を生む。
 次第に僕は、そのクライアントにとって唯一無二の存在になってくる。僕が経験してきた、貢献の相乗効果の例だ。
 もちろん今の僕の仕事でも、貢献の関係で多くのものが動いている。


 ただ時に、どれほど貢献しても引き上げられず、評価もされにくいケースがある。
 誰もがとても陥りやすいパターンだ。それは誤解されている場合だ。そのことについて話そう。

▼この書籍について

能ある社畜 独立前夜の企て

連載期間
2018/02/11
ジャンル
啓発