世界が煌めいて、まるで違う世界かのように見える瞬間は人生に何度か用意されている。愛する人と共に鐘を鳴らすその日もまた、疑いようもない程世界を煌めいて輝かせる瞬間であると思う。いつかその煌めきはくすんでしまうのか、それとも輝きを増して深みを増していくのか、それは当の本人達にさえ知る由もない。だけど、共に鐘を鳴らしたその瞬間、誓い合った未来へ馳せた想いに嘘なんてきっとないはずで、だとしたら僕らは死に間際までその誓いを忘れず、帰るべき心の拠り所にするべきなんだと思う。共に歩める最後の日に、愛する人は息絶え絶えの自分を一体なんと呼ぶのだろうか。皺の深くなったその手を握り返して、最後にどんな言葉を投げかけてくれるのだろうか。そんなことすら、今は知る由もないのだけど、そんな日に共に在れること、そしてこの世界に灯されたあなたという火が消える瞬間、眼前の愛する人に「出会えてよかった」と言えるように時を刻み付けていってほしいという願いを込めて綴った詩です。僕もそうでありたいな、なんて思いながら。